万能クッカーのメスティン。大切に使っていても、焦げてしまった…ということはあるでしょう。焦げちゃったから、もう使えない。そう思って倉庫の奥に仕舞い込んでしまってはいませんか?
だめですよ。メスティンが泣いてます。
今回はそんなお悩みをもつあなたに、メスティンが焦げてしまった時の対処法と焦げつかないようにする防止策をご紹介します。
目次
焦げてしまった時の対処法
メスティンは薄いアルミ素材でできています。熱伝導率が高いというメリットの反面、焦げ付きやすいというデメリットもあります。しかも表面にテフロン加工などの加工が施されていないものがほとんどのため、汚れが落ちにくいのです。
大切なクッカーが焦げてしまうとテンションだだ下がりですよね。見ただけで「あー…」と何とも言えない気分になります。
私も炊飯をしていて、お焦げが…という時も何回もありました。お焦げは美味しいんですよ?美味しいんですが、底にお焦げがこびりついたメスティンを見てため息を吐いた経験は何度も。
では、どうしたらいいのでしょうか?
まずは水でしっかり洗う
まずは水とスポンジで洗いましょう。中性洗剤を使用しても大丈夫です。スポンジは研磨材の付いていない柔らかいものを使用します。
ガシガシ擦って落としたい、という衝動に駆られるのはわかります。(私がそういうタイプ)ですがメスティンが傷付いて腐食・劣化の原因になってしまうので止めましょうね。
それでも焦げが取れない時は次のステップに移ります。
お酢で煮る
そう思った方も多いでしょう。確かに家庭で鍋の焦げ付きや酷い汚れと聞いたら「重曹」を思い浮かべるのが一般的。ですが、メスティンの場合は違います。
アルミ素材でできたメスティンは、重曹などのアルカリ性のもので処理をしてしまうと一気に痛みます。黒ずみの原因になってしまうので、重曹はNGです。
ーやり方ー
- 焦げが浸かるくらいの水を入れる。
- お酢を大さじ2〜3入れる。
- 加熱し、沸騰させて20分。
- お湯を捨てて柔らかいスポンジや割り箸などで擦る。(お湯が冷めるのを待って、そのお湯を使って擦っても良い)
お酢には酢酸が含まれています。酢酸はタンパク質を分解することができるので、焦げを分解し、柔らかくしてくれます。
さっきまで全くびくともしなかったお焦げ達が、割り箸で擦っただけでスイスイ取れるというのは気持ちいいですよ。
注意点
- 十分な換気を行う
お酢の強烈な臭いとお酢が含まれた蒸気が発生します。密閉した部屋では絶対しないでくださいね。咽せて大変なことになります。
お酢でも取れない焦げがある時
ほとんどの焦げは「お酢で煮る」という方法で取れるのですが、それでも取れない強敵が現れた時は、次の方法を試してください。
お酢で煮る時に中性洗剤も入れる。
多少焦げが落ちやすくなります。
お酢で煮込んだ後に1〜2日天日干しをする。
しっかり乾燥させることで焦げが落ちやすくなります。
金属たわしややすりで擦る。
最終手段です。確実に傷つきます。極力この方法はオススメしません。
個人的には天日干しがオススメ。ただ、キャンプ場で行うにはあまり適した方法ではなですね。
黒ずみが気になる時
メスティンを長年使っていると、どうしても黒ずみが出てきてしまいます。これも味があって良いのかもしれませんが、ちょっと気になりますよね。何度も焦げ付いてしまったせいで、繰り返し処置を行っているうちに黒ずみや変色が…ということもあります。
そんなメスティンが新品同様の煌めきを取り戻す方法がここに。とても簡単なので、ぜひやってみてください。感動しますよ。
クエン酸で煮る
クエン酸には黒ずみを溶かす作用があります。
いや、クエン酸ってどこで手に入れるのよ。そう思った人もいるでしょう。答えは簡単。レモン果汁を使えばいいのです。ポッカレモンで十分です。
方法は簡単。500mlの水とレモン果汁大さじ3をメスティンに入れて、30分煮込む。これだけです。
黒ずみが酷い方は煮込む時間を少し長めにしてみてください。これだけでシルバーに光り輝くメスティンがカムバックです。やっぱり光り輝くクッカーを見ると嬉しいですね。
お酢やクエン酸で煮た後は?
できればシーズニングを行うと良いでしょう。お酢やクエン酸で煮た後はアルミ素材の上にできた皮膜が壊れた状態になってしまいます。このままでは腐食・劣化してしまう恐れがあるので、シーズニングを行なって新たな皮膜を作ってあげましょう。
シーズニングという面倒な過程ですが、手をかけてあげるほどクッカーに対する愛情も湧きます。私は煮ている時間も「膜よ出来ろ〜」なんて思いながら待ってます。笑
詳しいシーズニングの行い方はこちら。
メスティンを焦げ付きから守る方法
焦げ付いてしまった時の対処法をお伝えしてきましたが、そもそも焦げ付かないようにするにはどうすればいいのか。ここからは焦げ付き防止策をご紹介します。
直接メスティンに具材を入れない
そのままメスティンに具材を入れて調理するのではなく、アルミホイルやクッキングシートを敷いてから調理を行うことで格段に焦げは防止できます。多少の焦げが付いてしまうこともありますが、普通に水で洗えば落ちるレベルのものです。
クッキングシートに関しては「メスティン折り」という画期的な折り方があり、メスティンのサイズに合ったぴったりなクッキングシートの使い方もできます。家で何個か折って持っていけば便利ですよ。
このメスティン折り、少し複雑ですが一度覚えてしまえばささっと作ることができます。折り紙が苦手な私でもこの動画を見ながらやったら簡単にできましたよ。
メスティン折りのやり方を説明した動画はこちら。
メスティンにフッ素加工を施す
よく売られているメスティンはフッ素加工など何もされていない状態です。このメスティンにフッ素加工を施すことで焦げを防ぐことができます。
フッ素加工を行う方法は大きく二つあります。
- 業者さんに頼む。
- 市販のキットを使って自分で行う。
業者さんに頼むのが一番楽ですが、かなり料金がかかります。しかし、自分でフッ素加工とか難しそうですよね。私もそう思いました。ですが、実は簡単に行うことができちゃいます。
フッ素加工を施す方法
使用するのは市販されている「フッ素革命11」というもの。車や鏡、フライパンなどの鍋にフッ素加工を行うものです。
ーやり方ー
- メスティンを中性洗剤でしっかり洗い、焦げ付きや油汚れをしっかり落とす。
- 乾いた状態でフッ素革命11を1〜2プッシュする。
- スポンジで均一に全体に伸ばす。
- すぐに柔らかい、吸水性の良いクロスで全体に浮き出た水分を拭き取る。
- 弱火で5秒程度加熱する。(ドライヤーでも可能)
- この工程を4~5回繰り返す。
これによってフッ素加工がされ、水を弾きやすくなります。実際に使ってみると、やはり焦げが付いてしまうこともありますが、洗えば比較的簡単に落とすことができます。こびり付くような焦げができなくなる、ということが一番の効果でしょうね。
実際にどのように行うのか解説してくれる動画はこちら。
業者さんに頼むとどうなのか、という点ですが、やはりプロ。セルフで行ったフッ素加工よりも効果は絶大。ただ、どうしても高価であるという部分がありますので、フッ素加工をしたいと思う方は、その点も踏まえてどうするか考えてくださいね。
焦げ付きにくい!おすすめメスティン
メスティンと一言で言っても、さまざまな種類があります。王道メスティンと言えば、トランギア製のものですが、今回は焦げ付きにくい加工がされた状態で販売されているメスティンをご紹介します。
スリップメスティン
引用:8A GARAGR公式HP
8A GARAGEという北海道のアウトドアブランドが販売するメスティン。特殊スリップ加工がされたメスティンです。この特殊スリップ加工は耐熱温度が300度と高く、摩耗にも非常に強いです。ただし、金属性のもので強くこすると傷がついてしまう恐れがあるのでやめましょう。
そして全く焦げつかず、つるっと取れます。ずっとこんなメスティンが欲しかった!焦げを気にしなくていいなんて最高です。特に使える水の量が限られているキャンプシーンでは重宝すること間違いなし。まさに多くのキャンパーが待ちわびた商品です。
特に水が限られる登山では、メスティンはちょっと…と思って持っていかなかったのですが、このスリップメスティンなら安心して持って行けますね。
ただし、この加工は本体のみにされており、蓋にはされていないので気をつけてくださいね。大きさ、容量はトランギア製のものと変わりません。
引用:8A GARAGR公式HP
このメスティンの特徴の一つとして、豊富なオプションアイテムも魅力。その中でも牛本革でできたハンドルカバーはとてもおしゃれで、使えば使うほど味も出てくるアイテム。ぜひこれも一緒に購入したいです。
このスリップメスティンは2020/11/13~12/31までクラウドファウンディングのMakuakeで先行発売され、2月末日〜8A GARAGEサイト内やAmazonで発売予定だそうです。
皆さん、楽しみに待ちましょう。発売されたら即買い決定ですね。
スリップメスティンについての動画はこちら。
王道のトランギア製のメスティンや他のメスティンをご紹介している記事はこちら。
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焦げ付きやすいなどのデメリットがあっても、トランギア製メスティンが不動の人気。スリップメスティンと二台持ちも良いかも。
メスティンが焦げちゃった!どうしたらいい?対処法と防止策を伝授!:まとめ
- メスティンが焦げてしまっても、お酢を使って綺麗にできる。
- それでもダメなら中性洗剤を使用したり、天日干しをすることで対応できる。
- 黒ずみにはレモン果汁。
- 焦げ付かないようにするにはアルミホイル・クッキングシートを使用。
- メスティンにフッ素加工を施すこともできる。
せっかく手に入れた、大切なメスティン。適切なお手入れをすれば、綺麗に長持ちしますよ。ぜひ試してみてくださいね。